「お腹が空いた!」「これ、おいしそう!」 子どもたちが一日の中で、最も本能的に、そして素直に感情を表現する時間。それがランチタイムです。実は英語保育士の視点から見ると、この時間は机に座ってカードを見るレッスンよりも、ずっと濃密な「生きた英語」の学び場になっています。
今回は、園での給食風景をのぞきながら、食卓から広がるコミュニケーションの魔法についてお伝えします。
お勉強の時間よりも、実は「お腹が空いた時」が一番伸びる?
なぜ、ランチタイムは英語が身につきやすいのでしょうか。それは、子どもたちの「欲求」と「言葉」がダイレクトに結びつくからです。
「これが食べたい」「おかわりが欲しい」という強い気持ちがある時、言葉は単なる「暗記」ではなく、自分を助けてくれる「道具」に変わります。五感で美味しさを感じながら発する言葉は、驚くほど深く記憶に刻まれていくのです。
「!」だけじゃない。食卓で飛び交う魔法のフレーズ
園のテーブルでは、毎日たくさんの英語が飛び交っています。
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“Smells good!” (いい匂い!)
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“More, please.” (おかわり、ちょうだい)
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“I did it!” (ピカピカに食べられたよ!)
最初は「Yummy!」の一言だった子も、周りの友達や先生とのやり取りを通じて、少しずつ自分の気持ちを伝えるフレーズを増やしていきます。ここでは正解・不正解はありません。「伝わった!」という喜びが、次の「話したい」に繋がります。
マナーも一緒に身につく!多文化を尊重する心の育て方
英語を学ぶことは、同時に「自分とは違う誰か」を思いやる心を育てることでもあります。
「Wash your hands.(手を洗おうね)」といった衛生習慣はもちろん、苦手なものがある友達に “It’s okay.” と声をかけたり、世界には色々な食べ物があることを知ったり。食事を通じた異文化理解は、子どもたちの「心のレジリエンス(しなやかさ)」を豊かに育んでくれます。
先生は見た!野菜嫌いの子が「Green power!」で完食した瞬間
先日、ピーマンが苦手なAくんのテーブルで素敵なことがありました。私が「Look! Green power inside!(見て、緑のパワーが入ってるよ!)」と声をかけると、隣のBくんが「I’m a Green Hero!」と言いながらパクり。
それを見たAくんも、少し照れながら「Me too!」と一口挑戦してくれたのです。食べ終わった後の “I finished!” という誇らしげな笑顔は、英語というツールが、苦手なものへの挑戦を「楽しい遊び」に変えてくれた瞬間でした。
今日からお家でできる!「食卓英語」を楽しく続けるコツ
お家で英語を取り入れる時、難しいフレーズは必要ありません。一番大切なのは、パパやママが楽しそうに英語を使っている姿を見せることです。
「It’s yummy, isn’t it?(美味しいね)」 「Hot! Be careful.(熱いから気をつけてね)」
そんな一言から始めてみてください。完璧な発音よりも、笑顔で交わす言葉が、子どもにとっての「最高の英語教材」になります。
今日の夕食、ぜひお子さんと一緒に「Yummy!」の魔法を共有してみてくださいね。