アメリカの子育て、ここが素敵だと思うこと

「みんな一緒」よりも、「あなたはどう思う?」を大切に

アメリカの保育現場でまず印象的なのは、子ども一人ひとりの意見を丁寧に聞こうとする姿勢です。
活動の進め方や遊びの選択、ちょっとしたトラブルの場面でも、大人はすぐに答えを示すのではなく、「あなたはどう思う?」「どうしたかったの?」と問いかけます。

子どもは、自分の考えを言葉にして伝える経験を重ねることで、「考えていい」「話していい」という安心感を持つようになります。
その積み重ねが、自分の気持ちや考えを大切にする力につながっているのだと感じます。

比べることを手放すことで、子どもはのびのびと育ちます

アメリカの保育では、ほかの子と比べて評価する場面がほとんどありません。
「〇〇ちゃんより早い」「まだできていない」といった見方ではなく、その子自身の変化や成長に目を向ける関わりが基本です。

昨日できなかったことが、今日は少しできた。
うまくはいかなかったけれど、最後まで挑戦しようとした。
そうした小さな積み重ねを大人が見逃さずに言葉にすることで、子どもは安心して自分のペースで成長していきます。
比べられない環境が、子どもの心を自由にしているように感じます。

早くできることよりも、自分らしく取り組めることを尊重して

結果やスピードよりも、取り組む姿勢や過程を大切にする考え方も、アメリカの保育の特徴です。
すぐに正解にたどり着けなくても、「よく考えていたね」「挑戦してみたね」と声をかけられる場面が多く見られます。

そのため、子どもたちは失敗を必要以上に怖がりません。
「うまくいかなかったら、またやってみればいい」という空気があり、自然と挑戦する気持ちが育っていきます。
自分らしい方法で取り組めることが、主体性や自己肯定感につながっているように感じます。

大人の価値観を押しつけない子育て

アメリカの子育てや保育では、大人の考えを先に押しつけることはあまりありません。
まずは子どもの気持ちや理由を聞き、その上で必要なルールや考え方を伝える、という姿勢が大切にされています。

「なぜそう思ったのか」「どうしてそうしたのか」を理解しようとすることで、子どもも自分の行動を振り返ることができます。
対話を重ねながら関係を築いていくことで、大人と子どもの間に信頼関係が生まれているように感じます。

子どもを信じて任せるという選択

危険がない範囲であれば、子どもに任せて見守る場面が多いのも印象的です。
転びそうになっても、すぐに手を差し伸べるのではなく、まずは子どもの力を信じて見守ります。

うまくいった経験だけでなく、失敗した経験も含めて子どもの学びになります。
「あなたなら大丈夫」という大人の姿勢が、子どもの自信につながり、次の挑戦への意欲を育てているのだと感じます。

 

子どもを信じて任せることが、子どもの力を一番引き出すのだと、アメリカの子育てから改めて感じています。